香港紀行09 入門編 ・千歳直行便
    まるで、東京へ行く感覚

3-1.

■3月25日水曜日

 続いて、格安香港ツアーの3日目、全日フリータイムの日です。
 きのう夕方からのフリータイムを精力的に歩き回った疲れで、ぐっすりと熟睡、朝食はホテルの前の交差点にある早朝から開店している食堂でとる。食事中の地元のお客さんでいっぱいの店内に入り、他の人の食べているものを観察しながら、壁に張り出されたメニューの写真も見比べながら、ちんげん菜とワンタンが数個のっている麺を注文する。これがあっさりしていて、つまり調味料的な味わいじゃなくて素朴な素材だけのだしで、なかなか美味。
 ひとまず満足して、ホテルに戻りシャトルバスで九龍半島チムチャツォイに出る。バスは半島西部の高速を南下して、途中から街の中に入る。と思うまもなく、大胆に看板群が突き出した通りを走っている。通り名を見ると「上海通り」となっている。そうか、これが「上海通り」なんだ、とその雰囲気で納得。
 途中バスが止まって、運転手さんが大声で「モンコック!」と叫ぶと欧米人ふうの女性が、慣れた感じで下車していった。なるほど、途中下車もありなのだ。バスを降りて上海通りに消えていく、その光景があたかも映画のワンシーンのようで、すでにバスの乗っている自分自身も、香港の街に溶け込んでいる。上海通りからノーザン通りに出たバスは、半島南端で左折してニューワールドセンターで止まり終点になる。


*



ホテルの前の交差点の角にある食堂。
この角にパン屋さんもあって、朝から営業していて、
それがまた繁盛している様子 。



 
店内の様子とレジに座っている店主と思われる親爺さん。
この人が、また日本人(外国人)らしいとわかるとその対処のされ方が、
ドライななかに、それなりの気遣いがあってなかなかいい。



 
店の内外の壁に張り出されている写真いりメニュー。
見てもさっぱりわからないので、人の食べているものを指さして注文する。
細麺、豪快にチンゲンサイ一株まんま、ワンタンが数個、スープはほとんどお湯のままっぽい中に、
素朴な素材のだしが効いている、ちょっと物足りない感じだけど慣れるとあっさりしていて美味い。
麺の中に入るものはいろいろあって、他の人のを見ていると、
目玉焼きが入っていたりヴァリエーション豊富。
チョンワン地元人は、みんなここで朝飯をとっているようだ。

*

 
ホテルに戻って、チムチャツォイ行きシャトルバスに乗る。
高速道路で都心に向かって走る。



高速から「上海通り」に入る。朝からいい雰囲気だ。




香港島南端、終点のニューワールドセンターで下車、西のスターフェリー乗り場へ向かって歩く。
下図にあるように、半島南端海岸沿いは文化的施設や有名ホテルが建ち並び、
すっかり整備されつつある中、まだ掘り返されているところもある。




1.スターフェリー乗り場 2.コンサートホール 3.芸術館 4.ニューワールドセンター
5.ペニンシュラホテル 6.ノーザンロード 7.プロムナード



 

5.
ペニンシュラホテルと6.芸術館

 ペニンシュラを右に見ながら、実はすぐにスターフェリーに乗ろうと思っていたところ、芸術館が左手に現れ、その横をすり抜けて海岸プロムナード出て、東のコンチネンタルホンコン側へすこし散策する。
 ヴィクトリアハーバー越しに見る香港島のビル群が何ともいえない。
 

  引き返して芸術館の前を通ると、ちょっと寄ってみようかと言う気になり。中に入ってみる。エントランスホールは2階で、その右手にミュージアムショップがあるので、まず入る。書の作品を買おうかな、しばらく選ぶもピンと来るものがなく購入断念。
 結局、ヒスイの十二支のストラップをおみやげに何個か買う。



 

 
7.海岸線プロムナードから。
左、コンチネンタルホンコンも、右コンサートホールも海岸沿い。



 
プロムナードから香港島を見る。
セントラル地区の銀行群と、右コンベンションセンターのワンジャイ地区。
セントラル地区の代表的銀行「中国銀行」(ペイ設計)や
今や小さいながらも「香港上海銀行」(フォスター設計)がはっきり見ることが出来る。





 


*

 芸術館から文化センター(コンサートホール)へ向かう。そのコンサートホールのハーバー側に現代彫刻と前九龍広州鉄路鐘楼。彫刻には、「フライングフレンチマン」とある。有名な作品なのか?
 そして、昨日も来たスターフェリー乗り場へ。


 
また来たスターフェリー乗り場、左へ行くとワンジャイ行き。


 
階段を上がってワンジャイ行き改札を入ると、待合い。



 
船が到着、まず反対側から乗ってきた人たちが降り、その後に向かう人たちが乗り込む。



 
通勤時間帯でもない昼間のこの時間は、この程度の乗船率。
ベンチの座に星のマーク。



 
本日もあいにくの天気、中間地点のハーバーは波静か。
セントラルから来たフェリーとすれ違う。



 
何度見ても飽きないこの光景。心境は沢木耕太郎と一緒だ。




 
ワンジャイ桟橋、ツインビルにHITACHIの看板がやけに目立つ、夜もものすごい広告効果を発揮している。



 
フェリーを下りて向かうは、あの歩道橋。これから九龍に向かう、こちらを見ている人たちと、
そこから桟橋を見たところ。


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 その歩道橋を渡ったところで、雨脚が激しくなる。ここからが今日の本番だというのに・・・
 しばらく、その渡ったところのバスターミナルで様子を見るもおさまりそうもなく、SOHO行きのバスは?と聞いても、みんな「そごう」勘違いしてしまう。
 しょうがないから、適当なバスの2階に乗っていると、案の定「そごう」デパートのあるSOHOとは反対の東側へ向かっていく。まあ今日は時間はたっぷりあることだし、とりあえず下町風のノースポイントまで行ってみようと2階からの街の眺めを楽しむ。
 雨脚はいぜん激しく、町並みはだんだん下町色が色濃くなり出す。




2階からのクィーンズウエイの眺め。



 

バス停の様子



 
色とりどりのトラムが走っている。あれに乗るのだ。




 
2階建てだけど意外に小ぶり、停留所の屋根と2階席の様子。



 
いよいよ乗り込み狭い階段を上がって2階へ。


 
 
トラム2階から見る街の様子、下町からセントラルへ




思わず記念撮影



 
下町では激しかった雨もやがて落ち着き、セントラルに入ってふと見たビルに、
なにやら親近感を抱く。
そのビルの看板の工事中の囲いの竹とシートの様子が、まるで「川俣正」だったのだ。




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3-2.
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