大阪万国博覧会は、たぶん僕だけじゃなく我々の世代には特別の想いがあるのではないだろうか。「エキスポ’70」だから1970年、僕は17才多感な高校2年生だ。高度経済成長真っ只中、テレビで何回も見せつけられた「お祭り広場」の巨大な屋根から突き出た「太陽の塔」は、否応なく脳裏に焼き付けられている。
あまりにもあのアングルからの映像だけが強烈だったがために、屋根をまとってない「太陽の塔」それだけを見たときのなんともいいようない感慨は、何と言っていいのだろう。
「こらがあの『太陽の塔』なんだ!」
とにかくでかい。
巨大な屋根からといったがテレビでは、あれだけの人を飲み込んでいたにもかかわらず、全く実感していなかった。その屋根の立体トラスの一部が横に残してある。
広々とした公園に慄然と立つ何もまとってない「太陽の塔」。
近づくにつれてその大きさのスケール感覚に惑わされながら、ぐるっと遊歩道を1周してきました。よくこれだけのものを作ったと思う。経済大国日本の国を挙げてのプロジェクトだったから、成しえたのではないか。
またそれに応えた岡本太郎は、やはり天才だったんだろう。
(他の作品は、ほとんど知らないが。ただ、やはり丹下健三と組んでアートしてた、旧東京都庁舎のホールは良かったと思う。)
そういう意味で、20世紀日本が生んだ傑作といっていいのではないか。
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