よしむらじゅんぞう
吉村順三
の
あまりにも有名な「軽井沢の山荘」を訪ねる機会を得てしまいました。
建築を学んだ学生なら必ずその図面をトレースし、
そして何度となく写真でその姿を見てきた
あの建物です。
そして、吉村順三自身の著作
『小さな森の家・軽井沢山荘物語』(僕も持ってます。)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4874604838/qid=1098442549/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-2711858-8561945#product-details
に紹介されているとおりの、
まさに珠玉の建物。
その建物の現物を体感するとき、
そしてそれが想像を超えていたときの感動。
それを味わってきてしまいました。
いつものように同縮尺の北海道と浅間山山麓の避暑地「軽井沢」との距離感覚の確認。
北海道のすかすか感が地図上にもよく表れてますね。
軽井沢って、群馬・長野の県境のこんなすぐのところにあったなんて知らず、
今回またしても日本地理の無知さを思い知った次第。
初めて降りる新幹線軽井沢駅。
以前は、大学時代と桑沢時代に1回づつ来てます。
ゴルフ場が多い、駅南口2階から。
代わって、木々に囲まれた駅舎北口。
左地図、2.5qの縮尺の入った駅周辺、青●が「三五荘」赤●が吉村順三の山荘。
右地図、旧軽井沢銀座通り周辺、矢ヶ崎川を渡って左に少し上った、赤○が吉村順三の山荘。
矢ヶ崎川沿いの道を少し上ったところに、知っていると以外に簡単にある。
地番に「吉村の表札」
「おおっ、これだ!」という感じで迫ってくる。
現物を目の前にして練りに練った感じが伝わってくる、感動的に美しいプロポーション。
ミニコンサートを行ったという前庭から、みんなそれぞれに感慨を持って眺める。
1階RCのミニ暖炉と(図面によると)PCの縦桟が入った開口。
杉板の縦張りの外壁の押さえ縁が以外に細い。
考えてみると、ディテールは違うが、
当社がカラマツ板を縦張りしているのと同じ考えの仕上げ。
裏に廻って、見慣れないRC増築部分を見る。
こちらは新鮮なアングル。
裏も、開口の取り方全てが美しい。
増築部開口の納まり。
北面の道路からの遠景。
本当にさりげなくて控えめで、近づくと美しい。
スチールのキャンティのカーポート。
アングルを使用してこれまた繊細。
玄関までの階段にさらにはね出して架けたガラスの屋根。
北面道路境界の丸太材を使った簡単な木製柵。
訪れてすぐに思わず撮ってもらった、記念写真。
*
いやあ〜、よかった!
思いがけずいいものを見せてもらって、すごく得した気持になりました。
さっそく帰ってから、
『小さな森の家・軽井沢山荘物語』をまた開いて見、
そしてさらに、
以前に買ってあった1990年、同朋舎出版発行の
『吉村順三建築図集』をひもといてみました。
あの美しさの秘密は何か、
平面をトレースし、
ディテールを眺めていると、
開口部、特に障子の枠や組子のプロポーションがとても繊細で微妙ですばらしいのです。
これいただきと、赤間邸の居間に採用させてもらいました。
これからは、座右の書にして、
再び初心に帰り、研鑽の日々といきたいものです。
◆軽井沢・その2