Report 工事レポート

岩見沢H邸

 

 

  • 2024.08.24
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    完成写真

    (前面道路から見上げる)

    住宅街の中のいわゆる「ヘタ地」にあたる敷地。

    不整形な傾斜地で、前面道路の曲がり角、裏側に雑木を背負っています。

    一般的には非常に建てづらく難しい敷地ですが、

    上手に受け入れ扱うことで魅力的にもなります。

     

    「店舗兼用住宅」になっております。

    住居とカフェ・物品販売のスペースがひとつの建物になっています。

    第一種低層住居専用地域に当たりますが、

    上記面積が50㎡以内かつ延べ床面積の1/2以上を居住の用に供していると建てることが出来ます。

     

    坂道から見上げて近づいてくるアプローチ。

    建物の配置を少し振ることで、通りに対して正対せず、

    建物を斜めに見ることができ、プロポーションが綺麗に見えます。

    また裏側の雑木を背負った関係性も生まれます。

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    (北側の庭から見る)

    隣家とも高さレベルがズレるので抜けが生まれます。

    外壁材は道産カラマツ荒木材の下見板張り。

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    窓と窓を一つのグループとする小さな庇

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    玄関ポーチ

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    カフェスペース

    北の庭、雑木林を望むロケーション。

    土足の土間から外部へ直接繋がります。

    薪ストーブが据え付けられているので冬の愉しみもあります。

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    構造材は表し

    カラマツ無垢材の色味が映えるよう、壁はグレー色の珪藻土としました。

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    古い民家を解体したときに出た梁を加工したカウンター

    もともとの加工跡や傷、節、割れをそのまま残し、

    意匠として表してます。

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    厨房から

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    住居スペース

    キッチンダイニング

    プランやディテールは造り込まずに、

    暮らしを受け入れる箱としての寛容性を持たせています。

    なので収納家具や造り付けの家具、造作は一つもありません。

    住まい手に委ねてます。

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    その見返し

    リビングはモルタル土間とし、土足のままでも過ごせるようになってます。

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    ただし単調、おおあじ、野暮に見えないような素材の使い方、細かい納まりに気を配ってます。

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    パブリックとプライベートの境目の引き戸は、

    古建具を再利用し作り替えました。

    硝子も当時の揺らぎのある硝子、框材も経年による味わいがあります。

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    キッチンもステンレス天板にガスコンロが付いているだけ。

    下部は完全にオープン。

    どのように使われるのか楽しみです。

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    なにかその建物を象徴するような、記憶に残るようなシーンを一つ作りたいと思います。

    今回は階段。

    弊社でストックしているナラ、タモ、キハダ、エンジュの無垢材を用いました。

    吹き抜けの3連窓に合わせて設えました。

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    開口部からの自然光がきれいに射すよう、

    蹴込板のないスケルトン階段としました。

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    親柱は婆娑羅継ぎ(ばさらつぎ)という継ぎ手を用いて材と材を継ぎ合わせ、

    その継ぎ手を意匠として表してます。

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    2階の廊下より階段を振り返る

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    寝室とセカンドリビング

    天井は屋根なりの勾配天井

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    造作洗面台

  • 2024.07.26
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    庭から見る

    外壁はカラマツの下見板張り

    無塗装仕上げなので、経年変化で周囲の環境と馴染んできます。

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    道路正面からの見上げ

    建物を斜めに振って配置することで、

    通りに対して角度が付き、奥行きの付いた見え方になります。

    裏の雑木林とも良い関係になってます。

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    2階の天井はカラマツ合板張り

    安価な材を用いますが、品良く見えるよう端部を加工して張り上げます。

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    弊社にストックしている古材の梁を加工し、カウンターとします。

    独立の表しの柱を貫通させます。

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    階段材の加工

    原木、原板を堀川林業へ持ち込み、賃挽き製材し人工乾燥を掛けます。

     

    樹種はキハダ、エンジュ、ナラ、タモの広葉樹。

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    階段側桁の墨付け

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    大開口の窓も絡み、より複雑な加工となります。

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    親柱の継ぎ手は婆娑羅継ぎ(ばさらつぎ)という継ぎ手とし、意匠的に見せます。

    材と材を斜めからスライドして組みます。

     

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    4段目から曲がるので、親柱に側桁が掛かります。

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    大開口3連窓の正面に階段が掛かります。

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    階段を見下ろす

    木の肌、木目がとても綺麗です。

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    リビングへ入る引き戸は、古い民家を解体した時に、一緒に下げてきた建具を再利用します。

    框組の開き戸を、引き戸へ作り替えます。

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    框の枠をいったんすべて分解します。

    とても強度の高いホゾ接合になっています。

    釘や金物、ボンドなどは一切使用されてません。

     

    二枚通しホゾになっていて、「割りくさび」を取ると、すべて抜けます。

    また框の巾が大きいので捻れないように、小根(コネ)が付いてます。

    技術の高さに驚かされます。

  • 2024.05.09
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    庭から見る

    外部は屋根まで無事完了し、これから外壁の板張りを進めていきます。

    道産カラマツの無塗装(素地仕上げ)の下見板張り

    真鍮釘で留め付けていきます。

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    大工さんは木工事だけではなく断熱と気密に関わる工事も行います。

    施工ノウハウや正確な知識を有してないと、

    きちっとした施工はできず計算通りの断熱性能になりません。

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    今回、内部窓枠や建具枠は無垢のベイツガ材を用います。

    既成品に頼ったり、カタログデザインはせず、

    極力、無垢材で、つくる人の手の跡が出る仕事をしたいと思います。

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    紙に描かれた図面だけで判断せず、

    現場で、原寸で、そしてそれを作る人の意見を取り組みながら考えていきたいと思います。

    若い大工さんも交えて検討していきます。

  • 2024.04.08
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    建物のアウトラインが出来てきました。

    前面道路から見上げるアプローチ。

    背後に雑木林を背負う。

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    雑木林から見下ろす

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    雑木林を望む窓は、縦三連窓の大きな開口部としています。

  • 2024.03.30
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    基礎工事後、冬期間休工していましたが、

    今月から工事を再開します。

     

    土台敷きの様子

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    建て方の様子

    今回の棟梁は、入社5年目の生え抜きの大工で、初めて棟梁を任されました。

     

    現場監督・設計者と打ち合わせを行い、大工全体を取りまとめます。

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    2階床

    プレカット工法ですが、表しの部分は金物が見えない在来加工としています。

    見える材は幕別町のカラマツ無垢材、それ以外の材はホワイトウッドの集成材としています。

  • 2023.12.05
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    ベースコンクリート打設

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    布コンクリート打設

    冬季間の打設のため、上屋を掛け、ジェットヒーターで採暖をしながら養生します。

  • 2023.11.22
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    岩見沢市内において店舗(カフェ)兼用住宅の現場がスタートしました。

    裏に雑木林を背負った傾斜地となっており、庭も含めてそちらへ開いた計画となっております。

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    傾斜の地面に合わせ、

    基礎の深さが変わります。

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    鉄筋工事まで完了しております。