千歳市T邸
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2023.03.24
ペンダントライトは、
アルヴァ・アアルトのデザインしたA201。
二つの円筒のシェードから構成された照明。
下方だけでなく、
シェードとシェードの間からも光が漏れるようになっており、
周囲を柔らかく照らす。
窓辺のデザイン
窓辺に居心地の良いところを設けている。
(外構の植栽工事、ウッドフェンスはこれから)
閉じるは技術、開くはデザイン。
断熱気密をしっかりすることで、外へ解放出来る。
窓は調理する際の手元を照らすように。
ダイニングチェアは、
JLモラー NO.71
背もたれから後ろ脚へつながるところが流線的な造形で美しい。
座面がペーパーコードで出来ており、軽量なので椅子の出し入れが軽い。
良い椅子は後ろ姿がきれいである。
カイ・クリスチャンセンのデザインしたネイルチェア
ハーフアームの肘掛け
ダイニングとキッチンが一体的となっているので、
座っている人と作業する人の導線が重なってしまう。
椅子の後ろを干渉しないよう、
小さな肘掛けを持つ椅子や軽量の椅子とした。
表層的なデザインだけでなく、座り心地も大変良い。
テーブルは北海道産のタモの無垢材を接ぎ合わせて造作。
空間に合わせ、木目や色味などはあっさりした優しい樹種を選択した。
ダイニングからの見返し。
正面はTVボード、エアコン、本棚を壁面の中に納めることで、
空間に出っ張らず、すっきりとする。
主寝室
天井はラワンベニヤの目透かし張り
開口部は1200角の大きな辷り出し窓
道路に面した窓なので、格子の開き戸を入れ、
周囲と柔らかく仕切った。
開いたところ。
中にロールスクリーンが仕込んである。
子供室はリビングと繋がるが、
将来子供が大きくなった時には仕切れるようにしている。
一部ロフトスペースになっており、
籠もれるような空間になっている。
玄関ホールは、
水廻りへ行く導線とリビングへ行く導線で回遊性を設けている。
小さい住宅でも回遊性があると立体的に空間を体験でき、飽きることがない。
また導線が重ならないので、上手に処理できる。
通路部に設ける収納の建具は、
建具枠や取っ手が物理的、視覚的にも出っ張らないデザインとした。
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2023.03.17
キッチンとダイニングを併せたスタイル。
キッチン、ダイニングテーブル、ベンチなど、
すべて自社大工による造作。
千歳川を望める正面の窓は、
パノラマ上の木製サッシとした。
リビングの天井は一部跳ね上がり、
上部からの採光が入る。
構造材は道産カラマツの無垢材。
天井の仕上げは、その登梁の下端を30mm表し、
同じくカラマツの羽目板を張り上げている。
その中には木の断熱材であるウッドファイバーを充填し、
蓄熱性、調湿性、吸音性をもたらしている。
断熱材の厚みをただ増やすだけではなく、
人間にとって何が気持ちが良いのか、
快適な室内環境とは何なのかを思案している。
Ua値は0.21。
平屋プランは屋根と基礎の断熱構成が重要である。
また平屋は、
寝室や子供室などのプライベートな居室をどう設けるかが悩ましい。
今回はリビングに面したところに子供室を設け、
子供が小さいうちは、リビングとの間仕切り壁を造らず、
リビングの延長線上として使えるようにした。
その時々の家族構成や状況に合わせ、自由に可変できる。
将来仕切っても、上部ルーバーから、採光や通風は確保される。
エアコン、TV、本棚、日常的な使う雑多な物たちをしまうための棚。
壁の中に埋め込むように作ることで、
そういった物たちが出っ張らず、きれいに暮らせる。
小さな住宅ほど、細かいデティールが重要になる。
手触り、足触り、目障り、、
手が届くところ、目の届く距離が近くなるので、慎重に考えている。
窓辺のデザイン。
造作でベンチを造り込む。
背もたれは、古い民家から出たカツラの梁材を製材し、しつらえた。
優しい手触り。
自然の艶が美しい木である。
背中が窓からの冷気で寒くならないよう、
床下放熱器からの熱が背中に当たるよう、スリットを設けている。
外皮性能(断熱性能)が高いと、外周部にも居心地の良い、気持ちの良い空間を設けられる。
高断熱化にすることで初めて、
自由なプランが実現し、外部へ解放できる。
そして設備にも頼ることがないので少ないエネルギーで暮らせる。
今回、気密測定を実施しているが、
C 値0.2㎠/㎡というとても良い結果に。
屋根を跳ね上げたりしているが、きちっと丁寧な気密処理が出来ている。
いくら計算上でそうなっていても、現場で実行できる職人がいないと実物にはならない。
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2023.03.15
リビング
跳ね上がり屋根のハイサイドライト
太陽の日差しが時間とともに移ろい変化します。
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2023.03.07
寝室の天井の仕上げは、
ラワンベニヤの目透かし張りとします。
ベニヤ同士、ベニヤと壁の取り合うところを3mm隙間をあけて貼ります。
安価な材を少しだけ?手間を掛けて納めます。
若手大工2名で張っていきます。
塗装仕上げ
壁、天井はクロス張り
まずはパテ処理から。
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2023.03.01
内部造作工事
リビングの屋根は片側を跳ね上げ、ハイサイドを設けてます。
天井が一部上に抜けることで上方からの圧迫感がなくなり、
気持ちが良い空間になります。
登り梁に上からの採光が当たります。
これから家具の造作が進んで行きます。
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2023.02.06
外壁はカラマツ無垢材の下見板張りです。
正面の窓廻りは稲妻状に加工した木枠を打ち、
外壁を張り上げる納まりとなっています。
内部の建具枠の造作
からまつ三層パネルを用いてます。
片引戸の戸袋納まりとし、
戸を開けると壁の中に戸が納まるので戸の気配が消えます。
コンパクトな住宅だからこそ、開け放しにできるようにしています。
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2022.12.15
今回、平屋のプランなので屋根の面積が大きくなります。
そこで屋根面の断熱材にウッドファイバー(木チップを繊維状にしてできた断熱材)を用います。
一般的なグラスウールに比べ、熱伝導率(0.040w/m・k)は同等程度なのですが、熱容量が6倍と大きいのが特徴です。
熱の伝わるスピードが遅くなるので、家の中の温度変化が少なくなり快適な室内環境となります。
夏期は太陽の高度が高くなり、壁面よりも屋根面に日射を多く受けるので、屋根面の断熱性能が重要になります。
北海道は夜間には気温が下がります。
日中受けた熱が室内に達するまでの時間を遅らせることで、夜間冷却(ナイトパージ)できればという考えです。
冬期間は薪ストーブの大きな(大きすぎる?)熱を躯体に蓄熱させられます。
また調湿性、吸音性にも優れているので、一般的なポリフィルムの気密シートは張らずに可変性シートを用います。
仕上げにはカラマツの羽目板を登梁を表すような納まりで張っていきます。
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2022.12.05
屋根
切妻屋根の一部を跳ね上げ、ハイサイドライト(高所窓)を設けます。
ハイサイドライト
屋根
アスファルトルーフィング張り
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2022.11.24
建て方
建物のボリューム感、輪郭が見えてきました。
切妻屋根の一部の屋根を跳ね上げ、ハイサイドライトを設けてます。
構造材は道産カラマツ材。
登梁の架構が表しで見えます。
上方から差す光が印象的です。
リビングの開口部は幅2.9mの木製サッシが入り、正面に千歳川を望めます。
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2022.10.31
防湿土間コンクリートの打設終わりました。
構造材はカラマツ無垢材。
加工場で墨付け刻みを行っております。
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2022.10.08
布コンクリート打設
基礎断熱仕様
(内外EPS断熱材75mm)
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2022.10.04
千歳市にて新しい現場がスタートしました!
土地を探すところからお話しさせていただき、
2年掛かりでようやく良い土地に出会えました。
正面に千歳川を望めます。
このロケーションを活かすため、川と平行方向に長い平屋のプランとしました。
延べ床面積で25坪程度と小さなお家ですが、
伸びやかでゆったりした計画となっております。
コンパクトなプランにおいては、
中途半端に2階を載せると階段や吹き抜けなどが出てしまい、
どうしてもオーバーサイズになってしまいます。
延べ床面積で割って出す坪単価は高くなりますが、
トータルの建設コストは抑えられるように思います。
平屋ならではの住みやすい平面計画、そして単調にならない断面計画としています。
大きさよりも質を求め、
住み心地のよい、より上質なものになればと思います。
断熱や構造的にも平屋の方が有利です。
断熱性能でUa値0.21W/㎡K、耐震等級2級となっています。
また昨今の資材高騰、ウッドショック、職人不足と難しい状況が続いておりますが、
既製品などの建材や輸入材に頼らないように今までよりも道産材、国産材の割合を高くできないかと構造から見直してます。
構造材はほぼ全て道産カラマツ、外壁材、内装材(床、天井)についても道産カラマツとしております。
また一部の屋根の断熱材にウッドファイバー(木チップの繊維でできた断熱材)を用います。
二酸化炭素の固定といった脱炭素化への取り組みと共に、蓄熱性の高い素材を屋根面に使う事で、より安定した温熱環境となります。