当然ですが、民家の再生には構造など基本となっている古材(こざい)が欠かせません。歴史的産物ともいえる古材は有限なので、再生事業を安定的に継続するためには、あらかじめ在庫しておく必要がありました。当社では敷地内に「古材ギャラリー」を建て、良質な素材の確保に努めています。
古材ギャラリー
この古材ギャラリーは、昭和30年代に建てられた農家の納屋(4間×7間)です。軸組は伝統構法である通し貫、登り梁で組まれていました。材料はエゾマツ、トドマツの針葉樹が主ですが、しっかりと自然乾燥した良材です。道路工事により解体されるところを当社敷地内に移築増築し再生(4間×10間ー下屋1.5間×10間)しました。
古材について
「古材」という概念が一般的に確立している訳ではありません。当社でいう古材とは、おおよそ次のようなものです。
- 01おおむね戦前の建築物に使われていた木材。
- 02広葉樹を主とした良材。
- 03長材・大断面で今日ではあまり流通していないもの。
- 04製材機械で量産されたものではなく一本一本マサカリで、はつり出され、手仕上げされたもの。
当社では、一本づつバラバラにして再利用するものから、一棟丸ごと再生利用するもの、または一室あるいは梁組(はりぐみ)のみなど、部分的利用のものまでたくさんの古材をストックしています。
古材に見られる主な樹種:カツラ、タモ、ミズナラ、エンジュ、カバ