夜行バスの旅 中国
2週間の京都滞在の後まずは姫路城を見に行きました。外観はとってもきれいで大きくてこれが本当に木造なんだろうかと思ってしまいました。内部はお城というだけあって結構荒々しく戦争のための建物なんだということを強く感じました。宮殿とお城の違いです。午後からは神戸に向かいました。有馬温泉に入ってその後神戸牛を食べてみるという予定でした。有馬温泉はいたって普通の公衆浴場みたいだったし、何も調べていなかったのでどこにレストランがあるかもよくわからないような状態。一人で高そうなレストランに入るというのも気が進まず、神戸牛はあっさりとあきらめ適当なところでごはんを食べることにしました。
そして夜の12時頃出雲へのバスに乗りました。夜行バスは人生で2度目です。あまり眠れず、朝の6時頃ものすごくボーっとした状態で出雲駅に着きました。夜行バスを選んだのは当初の旅行計画に中国地方が入っていなかったのでそこにあまりお金をかけたくなかったからです。
出雲大社は神社の中でも最も有名な神社の一つ。学校で神明造り、住吉造りと並び大社造りとして習いました。一番重要そうな学校の本にも載っていた部分は囲われていてお祈りするとか何か用事がないと入れなさそうだったので隙間から覗いただけで中には入りませんでしたが、大きくて力強くそしてちょっと恐ろしい感じもする、そんな印象のところでした。
午後は松江の方に行きました。松江は特に行きたかったわけではなく単に時間があったから行っみただけだったのですが、町並みがとてもきれいで特にお城の周りが武家屋敷なども残っており京都とも違う上品な日本の風景という印象でした。そして町の真ん中に大きな湖があるのも印象的でした。もう一度ゆっくり訪ねたいと思った所です。出雲と松江はかわいらしい私鉄で結ばれています。本数は少ないのできちんと調べないと長時間待つはめに(私みたいに)なりますが、周りの景色ものどかでのんびりした列車の旅を楽しむことができます。そして7時頃最終バスで広島まで向かいました。
広島には夜の10時頃につきました。インターネットで探した「広島で一番安いホテル」と書いてあったところに泊まりました。お風呂は共同です。ホテル自体は全く問題ないのですが、場所が飲みや街のど真ん中みたいなところで治安があまり良さそうではありませんでした。
京都や東京といった大観光地を別にすると安く泊まれるところを探すのは大変です。カプセルホテルやサウナは男性専用のところが多く安くてちゃんと寝られるところを考えるとユースホステルかビジネスホテルしかありません。しかも日本のユースホステルは不便なところにあることも多くビジネスホテルより高いという場合もあります。交通の便と個室であることを考えて私はいつも安いビジネスホテルを選んでいましたが、大抵が駅の裏側で飲み屋さんが並んでいてそして時々ピンク色の映画館の隣に建っていたりします。京都のゲストハウスがとても楽しかったのでこのギャップは私にとってかなり大きいものでした。
そういうわけで、広島に着いた時からちょっとへこみ気味だったのに朝起きたら少し風が強く雨も降っていました。広島で見るべきなのは平和記念館だとは思いましたが、原爆ドームを見た後外観だけを見て宮島に向かいました。たぶん一人で入ってもほとんど見れずに出てきてしまうだろうし、その後ずっと頭の中がそのことだけになってしまうことを考えるとどうしても入ることができませんでした。
宮島の厳島神社は神殿造りなので神社というより竜宮城のようで、海の中に自重だけで建っているという有名な鳥居も竜宮城への入り口のようでした。毎年台風で壊されているけれど、それでも根こそぎなくなったりしないのはすごいことだと思いました。毎年毎年修繕で大変だとは思いますし、ひょっとして広島県民の税金で直しているのかもしれませんが、いつまでも大事に残していかなくてはならない物の一つだと思いました。またいつか紅葉の時期に訪れたいと思いました。お昼はカキとお好み焼きとビールでちょっと贅沢をした後町の中を歩き回りました。時間があったのでロープーウェーにでも乗ろうかと思ったのですが、強風のためストップ。もうすることもないので帰ろうかと思ったらフェリーもストップ。このまま宮島で野宿しなければいけないのか、とかこの後のホテルの予定やバスの予約も変えなければ、とかあせっていたら一時間後くらいにフェリーが再開しました。
広島市内に戻ったものの強風と雨のためどこにも行く気がせず、また12時頃夜行バスで博多に向かわなくてはならないので時間をつぶさなければなりませんでした。仕方がないので映画館に入り「ナルニア国物語」を見て後はバスセンターの中にある居酒屋のようなところでごはんを食べたり待合室でひたすら座って過ごしました。一人だと食事にもあまり時間はかからないし時間をつぶすのは大変です。
何とか退屈な時間をやり過ごしバスに乗りいよいと次はエネルギッシュな街、博多です。