フランス・パリ&スイス・チューリッヒの旅
 圧倒されっぱなしの1週間・・・




11月6日の5日目、
さっそく、購入したロードマップで位置を確認してみる。

ローザンヌ○1から高速道を走って、ベルン○2まで。
青い線のグリッドが65キロだから、
距離にしたら100キロ前後かな。
ベルン○2から、再び高速道と2車線の狭い一般道を通って、
チューリッヒ○3まで。
こちらは、地図で見比べると150キロくらいか。


スイスでは、木造住宅視察がメインテーマ。
このツアーに惹かれて参加したのも、これがあったからです。
はたして、どんな住宅を見学することになるのか。
興味津々。


訪問カ所は、以下の3カ所。
13-1.

シェアー社-4代目社長の戦略

13-2.

木造4階建て集合住宅-スイス&ヨーロッパソーラー大賞受賞

14.

フルター社-日本的軸組のシステム工法で売る



13-2.

 11月7日、サニーウッドのゼロエネルギー集合住宅


 

このような低層のテラスハウスが多い、
チューリッヒの南斜面に建つロケーションは、良好です。



敷地入口に建つ看板に、
ヨーロッパとスイスのソーラーハウス大賞を、それぞれ受賞した表示があります。
あわせて、コンセプト断面図も掲載されています。


 
通訳の恩海さんと建築家と名刺交換する鎌田先生。



一見RCに見えるけど、住宅部分は木造です。
外壁は無塗装の木製ルーバー。
階段廻り、基礎車庫廻りは現場打ちのRCです。
こちらアプローチになる北面。


  
薄い庇が、かっこいい。
その上が、全面ソーラーパネルらしい。
4階建てになっていて、2フロアーずつを2層で使っています。
縦には、3つ割になっていて全部で6戸建てです。
南面に視界が開ける。
1・2Fフロアーの方が面積は広いけど、3・4Fフロアーは、視界が良い。


それで、分譲された値段はあまり変わらないらしい。
構造的には、木造中断面の軸組で(スパンは4M×12M、その中間に立つ柱は250ミリ角?くらいでしたっけ。)
4Mスパンが3スパンで(写真を見て。)12M×奧行き12Mで144m2の2フロアーで288m2(約87坪)。
前述シェアー社のようなところで造られた頑丈な床盤や壁パネルがそれに絡んでる、
というような印象を受けました。


  

きれいに縁切れしたRCの階段、横ルーバーのRC階段質室(上図中間部)、RCのガレージ(上図右1層部分)。


 


データーをみせながらの説明を熱心に聞く先生他面々。
みんなメモってるでしょ。
(詳細レポートは、同行メンバーの岩手県立大学の内田先生から、上がってくる予定です。)


  
住宅部品メカニック。
日射センサーで開閉する遮蔽ブラインド(開いている)。
風速計もセットされていて、強風時は自動的に開く。
木製ルーバーは、かなり厚くて30〜40ミリくらいは、ありそう。


 
ガラス面の温水暖房機とバルコニー手すり部分セットされた太陽熱温水装置。
どちらも、しっかりデザインをおさえている。


  
構造部分に入り込んだテラス。
断熱区画が難しいところをうまくこなしているようです。


  
内装は、床が石貼りで壁天井はペンキ仕上げ。
このあたりは、みるべきものはないけど、
木床に石を貼って、まったく木造らしくないあたりは、さすがか。


 
どちらもすっきりしたインテリアのサニタリーと階段。


 
屋外ガーデン、バーベキューコーナーもある。


 
庭つくりは、入居間もないのかいまいち。


 
北アプローチ、ふと振り向くと、隣の敷地にツリーハウス。



視察最後は、記念撮影で締め。

(この章の多くの写真は、同行したSTV興発の社長北島氏に提供していただきました。)

*

ここで感じた強い思いは、
伝統のデザイン力がいかんなく発揮されていて、
完成度がとても高いという事実でした。
その完成度の高さの裏に、しっかりとしたコンセプトのもとで、
技術と工法がちゃんと根付いているんだなということでした。
施工は各論的には、決して優れているとは思えないのですが、
(むしろ日本の方が優れているところが多いのでは。)
デザインの必然性というものに、
カチッと歯車がかみ合った状態、を強く感じた次第です。
しかも、データーや科学的裏付けから導かれた、
人間が住まう温熱環境がどうであれば快適なのかを、
メカニックな部分のアプローチからデザインされているという、
すばらしさ。
コルビジェが言った「住宅は住むための機械である」という
その機械の部分(メカ)をちゃんと機能させてデザインするとうこと。
コルビジェって、スイスフラン紙幣の肖像になってるんですよね。)
この辺、スイスって伝統的に強いんですよね。
日本のように表層のデザイン力が建築家の力量のように注目されがちな風土とは、
あきらかに一線が引かれますね。
建築家の中に、意匠・構造・設備が分業化されずに、
バランス良く同居しているんですよ。
(住宅の温熱環境をデザイン出来ない奴は、建築家じゃない、みたいな・・・)
しかも、それが社会の需要としてちゃんとある(実現できる)というところが、
また、すごいですね。
これまた日本だと、
研究者的建築家がシコシコ自邸などで実験しながら、
実現していく姿とはだいぶ違うのではないでしょうか。





14.
フルターAG社


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