Staff report 社員レポート

2020.10.13大工

断熱の技術指導「木造建築 東風(こち)」の現場にて

右:渡部佳生(大工棟梁)
2001年入社 2020.2.3記

1月6日~7日奈良県で伝統工法の建築をしている工務店「東風」に断熱・気密等の技術指導に行きました。指導と言うよりは大工としての経験を伝えた感じです。

現場は、築50年程の民家を宿泊施設にリフォームする工事。自社物件なので実験的に断熱気密を取り入れてみたいとの事。伝統技法にこだわり、昔ながらの石場建てで、合板・ボートも使わない住宅専門なので武部建設の住宅仕様、北海道の気候ともかなり事情が違いノウハウを伝えるにもかなり事情が異なりました。屋根の段差も複雑なリフォームなので、ハードルも高くこちらも悩んでしまう納まり箇所だらけでした。

意外だったのは大工さん達が熱心に考えてくれたり色々質問してくれた事です。積極的に難しい部分を理解しようとしてくれたのも伝わって、設計・監督6名、大工5名皆さんの一体感を感じました。東風のS社長はどうやってモチベーションを保つかを心配していたようでした。リフォーム現場もちょうど気密工事にかかるところだったので現在どうなっているのか気になるところです。結局はその土地にあった技術をみんなで考えながら確認を怠らず施工していくのが良いのかと思います。

現場で勉強会の後は東風の事務所で懇親会でした。事務所は築150年の古民家でおしゃれな古民家カフェの様です。大工さんは20代から70代まで揃って皆さん明るく接してくれて木材の話等に会話もはずみました。

現場で少しだけ作業風景を見たのですが丁寧な仕事で落ち着いた雰囲気、天井板を並べて材料を眺める姿、様子からも綺麗な仕事に繋がるのかと。北海道に比べ穏やかな天気だったせいか、時間の流れも違っていました。真夏は耐えられないのかもしれないが…。

次の日は唐招提寺・東大寺・春日大社、最後に東風で改修した住宅を見学させていただきました。数奇屋建築も手掛けているので納まりもとても上品で妥協のない仕事でした。今回の出張スケジュール管理や資料の用意などからも東風さんの丁寧さと緻密さを感じ、拝見した住宅とも繋がりました。

訪問した事務所や現場で感じた良い空気感を忘れずにいたいと思います。かえって勉強になりました。お寺での御朱印帳もよかったです。これを見てこの日を思い返すことが出来ます。ありがとうございます。