旧滝川畜産試験場機械庫、
復活の物語

プロローグは、北海道建設新聞の名コラム、
『透視図』
(2001年7月27日・28日付)から。

 ▼三笠の武部建設(武部豊樹社長)が今、旧道立滝川畜産試験場に残った建物を解体している。以前同社の民家再生の取り組みついて取り上げたが、今度は機械庫だ。道から購入するに至り、こうするのだという。トラスや柱、はりを再利用し、元の姿に復元させる。そして、むろん、新しい命を吹き込むという。砂川の農業者が自立経営の道を考えている。その拠点施設にする話が待つそうだ。
 ▼その機械庫は木造、平屋一部二階、延べ約480F。規模は月並みだが、旧滝川畜産試験場が農商務省滝川種羊場だった時代、1921年に建てられた。北欧建築を取り込みつつ、入母屋風。北海道開拓の村にレプリカ(1985年再現)がある‥。要するに歴史的価値あるものだ。それが一企業に渡るに至ったことにはいきさつがある。ちょっとした変化に基づく。そして今後に期待したこと、問うものを見せる。明日も続けて書くが、語るものが少なくない。
 ▼8月1日、こんな道の入札が行われる。畜産試験場畜舎等解体-実は機械庫もそこに含まれ、姿を消すはずだった。つくる-壊すという従来システムに組み込まれた。しかし、最後は道の判断に生き残ることになった。武部建設が歴史的価値や保存・再利用の価値を説くと、庁内に理解が広がったという。最上層にも話が届くことになり、そして廃棄ストップの結論が出てきた。従来の行政なら、こう進んだろうか。行政は従来感覚だけでなくなってきている。まず、そのことが大きなことと思えるのだ。(7月27日)


 旧滝川畜産試験場機械庫の保存復元と再利用-昨日の話を続ける。武部建設(三笠、武部豊樹社長)が訴え、それに道が反応し、姿を消すことが救われたわけだが、第二にこんなことが大きい。道は解体にストップをかけただけでなく、もう一つ判断する。踏み込んで、保存や再利用を無視しないシステムづくり検討へ動くと聞く。機械庫が特例でなく、先例になることを考えてみようというのだ。
 ▼行政の中に保存や再利用がきちんと位置づけられる。つくる-壊すという従来システムだけでなくなる。それは公共工事を変える。そうなるかもしれない始まりとしても、機械庫の一件は大きい。つくるー壊す、に公共工事は批判を受ける。税の使い方で問題にされる。思うに、つくったものにこだわることは公共工事を豊かにし、従来以上に北海道を豊かにする。評価される公共工事へ道を開く。一企業が動き、道が動いた。建設業は受け身でいられないことの具体例としても、このことは大きい。
 ▼北海道は次世代に何を残せるか。遺産の価値に目覚め、かけがえのない北海道を守り育て、確実に後世に伝えたいー。道は、これからの北海道づくりに「北海道遺産」を掲げる。なのに、道自ら管理する物を壊すところだった。「北海道遺産」を真に押し進める上で、大事な教訓となるだろう。このことでもまた、機械庫の一件は大きい。旧滝川畜産試験場機械庫は北海道開拓の村にレプリカがあるが、道は本物の存在を重視した。道行政の今後も本物に、の期待を込めて書く。(7月28日)




『解体やめ古材再利用・産廃減量のモデルに』

 道は二日までに「造るー壊す」の従来型公共事業の見直し策の一環として、旧滝川畜産試験場の機械庫の解体をとりやめ、古材の再利用を希望した建設会社に売却した。「道有財産の有効活用になり、産廃の減量にも効果的」(磯田憲一副知事)としており、今回をモデルケースに、道有施設解体の際の古材の再利用策について検討に入った。
機械庫は1921年(大正10年)の建築。木造一部二階建て約480平方メートルで、旧農商務省が大口径材を使う北欧の建築様式を採り入れて設計した。寺院を思わせる大きな屋根が特徴で、道開拓の村(札幌)に復元された建物がある。
 買い取ったのは、三笠市の武部建設(武部豊樹社長)。同社は、農家の古い住宅の柱などを再利用した住宅新築で実績があり、機械庫の重厚な木材に着目。空知支庁を通じて道に、移築による再利用を申し出た。
 道は「古材再利用など、道有施設の有効活用は時代の要請」(磯田副知事)と判断。既に予算付けされていた機械庫解体工事費100万円弱の執行を中止し、数十万で武部建設に売却した。同社は機械庫をいったん解体後、砂川市内に移築し、同市内の農家が産直施設、レストランとしての再活用を検討している。

道新2001年8月3日付



『施設売却か廃棄前提・仕組みづくりが急務』

 道立の旧滝川畜産試験場の機械庫がこのほど、古材再利用を計画する三笠市の建設会社に売却され、これをきっかけに、道が道有施設の解体に際し、古材再利用を進める方向に動きだした。現在の道の制度では@解体撤去した古材は廃棄A施設を丸ごと業者に売却ーのいずれかしかできないため、実際には再利用が困難。解体を請け負った業者が古材の引き取りもできる制度など、再利用への仕組みづくりが課題となっている。

(岩見沢総局 横井 正浩)

旧滝川畜試の機械庫は大正時代に建てられた木造一部二階建て約480平方メートルで、母屋のトラス組が特徴。古い角材は長年の使用で乾燥が進み、寸法が狂わないなど価値は「一級」といい、保存を求める声が市民から上がっていた。
 しかし、移築保存には億単位の費用がかかるため、道は「不要な建物」としていったんは撤去を決定、古材は廃棄することにしていた。
 このため、機械庫の可能性に注目していた三笠市の武部建設(武部豊樹社長)が空知支庁に再利用を要請。道支庁は、「公共事業の見直しの機運の中、産業廃棄物削減につながる環境に優しい事業を道民が求めている」と判断し、本庁につないだ。
 結局、磯田憲一副知事が関係部と協議し、解体撤去工事は異例の中止に。同副知事は「環境への配慮など従来の方法でいいのかを検討した。再利用したいという武部社長の挑戦を応援する必要があると考えた」と語る。
 道には古材再利用を前提とした解体工事の発注の前例はなく、解体工事を受注すれば古材は産業廃棄物として廃棄しなければならない。武部建設は結局、施設を物品として数十万円で買い取り、再利用のための解体は自前で行うことになった。同社は機械庫をいったん解体後、砂川市内に移し、産地直送品の販売施設などとしての再利用を図る計画だ。

 業者に負担のかかるこうした対応しかできない行政の限界を嘆く声は道内部にも出ている。

 道有施設の古材再利用を進めるためには、民間の慣習のように、解体を請け負った業者が古材を引き取ればいい。また、契約に関しては、再利用を希望する業者が優先的に受注できるシステムも必要となりそうだ。
 同畜試びサイロのれんがを道の河川護岸工事に再利用する構想が浮上するなど、再利用を待つ施設は道内に多くあるとみられる。武部社長は「道の工事での古材再生の仕組みを今つくらなければ、後に続く業者がでない」と話している。

道新2001年8月19日付 波動から



等、新聞見出しにもあるように、マスコミもにぎわしてきました。


第1章
解体風景から


 
この姿をどう再生させるか。
再生イメージを的確に描けるかどうか、力量が試されます。
「えっ、こんなものが・・」というのが、一般的反応です。


 
屋根・壁をはがして骨組みが現れる。
安全第一、落下防止ネット。



クレーンを使った解体作業。



きれいに解体された状態。




 
2001年10月5日、
当社にあるその解体材を、
磯田副知事が視察したところ。




第2章
再利用の用途と方法を探るため、
(財)北海道開拓の村にある、レプリカを見学。
併せて、
地域活用検討会も開催。

--第1回--
11月28日

 
管理棟に集合。
農村群奧まで、目的に向かってそぞろ歩く。


 
正面奥、左手がレプリカ。以外と早く到着。


 
全景、レプリカはやはりきれいにできてます。
入口の案内板。


 
入口の大きなハンガー引き戸。
中でしばし、打合せ。


   
全景にあるとおり、大屋根の雪対策で建具を張りめぐらせる。
夏は解放してたのが現在は、閉め放し。


 
内部トラス組。
左は、下屋部分、右の本体は想像以上のヴォリューウム。



見学後、旧開拓使札幌本庁舎で、検討会議。


 
経過説明、活用方策の検討が、再利用の中心となる、
砂川の
三谷将さんを中心に熱心に話しわれた。




今回から参加の私は、いろいろ経過を聞きながら、
テナントスペースをいっぱいとるのも、おもしろいのではなだろうか。
そして、
大屋根入母屋の雪対策上、
下屋回廊部の妻側から入って、反対側の妻側から出る動線をつくり、
途中、真ん中に開けた入口から中にはいると、
ドーンと吹き抜けになったスペースに、
オープンな階段がテナントスペースを巡っている。
そこは、くらいイメージの機械庫を払拭する、
太陽サンサンのどこからともなくそよ風が吹き抜けていて、
緑の葉っぱを揺らしてる・・・。
中2階・2階・中3階・・・横の回廊から、中は
縦の回廊に変わる。
農産物あり、地域の工芸あり、
無農薬食材のレストランありの、
様々なテナントが、
多くの人々が訪れるという話題の元に、
売り場を展開している。
大げさなイメージは、
サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフの農村版の小型版。
ロケーションが良ければ、いっきょに爆発するかも・・・
なんて想像しながら、みんなの話を聞いてました。

ということで、
2002年度中の事業立ち上げを目指して、
いよいよ、青写真を描いていくことになりました。

当社と三谷さんの次回打合せを、12月12日に約束して、今回は解散しました。


関係者のみなさん、ご苦労様でした。



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